米テスラ社のイーロン・マスクは日本時間13日に早朝、ビットコインの送金、すなわちマイニング に使われる化石燃料、特に石炭の使用量が急速に増加していることを懸念していると述べ、テスラ車のビットコイン決済を一旦停止するとツイートしました。
彼は暗号通貨が多くのレベルで良いアイデアであり、有望な未来があると信じているとした上で、それでも環境への大きなコストをかけることはできないとしています。
しかしながら、ビットコインマイニングがよりサステイナブルなエネルギーによって行われるようになれば、すぐにビットコインでの決済を再開させるつもりなので、テスラが保有しているビットコインは売却しないとのことです。
また、ビットコインの一回の取引にかかる電力の1%未満で取引できるアルトコインに着目していると語りました。
この発言を受けて暗号通貨は軒並み大きく値を下げ、ビットコインは日本円で一時60万円以上下げました。
ビットコインは取引をブロックチェーンに記録するマイニングと呼ばれる仕組みに膨大なコンピュータの計算能力が必要なようにあえて設計してあります。それは不正取引や取引記録の改ざんを事実上不可能にする為なのですが、ここで問題としているのはその計算能力の為の電力です。
イギリスのケンブリッジ大学の研究者らがまとめたビットコイン電力消費指数によると、ビットコインマイニングで消費される総エネルギー量は今年、128テラワット時に達する可能性があり、これは世界の電力生産量の0.6%を占め、ノルウェー一国分の全電力消費量を超えます。
ちなみにファイルコインは「計算能力」ではなく電力消費がはるかに少ない「ストレージの容量」に応じてマイニングが行われるので、ビットコインと比較して非常にエコな設計となっています。
米テスラは世界的な環境ムーブメントを追い風として株価と電動自動車の販売を伸ばしてきているので、発言の意図は十分に理解できるところですが、彼の発言の影響力が大きいだけに、ビットコインのみならず暗号資産全体が環境にとっての「悪者」のシンボルに祭り上げられることのないように祈りたい。
[…] イーロンマスク 環境を意識してビットコイン決済を取りやめ […]