「Protocol Labs(プロトコルラボ)」の創業者にして、CEOであるホアンベネットはインターネットを更に理想的な次世代型にバージョンアップするというweb3.0ムーブメントの旗手として精力的に活動するコンピューターサイエンティストです。世界最大のビジネス誌である「Fortune(フォーチュン)」の「40under40（40歳以下の若手リーダー40人）」の一人に選出されており、世界が注目する若き天才です。
彼はインターネット通信の仕組み自体を見直して、現在までのHTTPを補完し、置き換えも可能で、より早く、より効率的で安全な新たな通信の仕組みであるIPFSを発案し完成させました。この新しい仕組みはIoTが普及するなど時代がさらに進みネットで扱われる総情報量が巨大化するほどにより真価を発揮します。IPFS(InterPlanetary File System)はその名の通り、人類のインターネットがインタープラネタリー（惑星間をまたぐ）な状況になったとしても効率的に情報のやりとりが可能なアイデアで設計された仕組みです。
1988年3月16日にメキシコのクエルナバカで誕生した彼は、10代でアメリカに移住して、スタンフォード大学でコンピューターサイエンスの学位を取得します。ビットコインの誕生から5年が経ち、イーサリアムのICOが実施された頃、まだまだブロックチェーン黎明期であった2014年5月、彼は自らのIPFSの構想を具現化するために「プロトコルラボ」を創業します。そして、その夏にプロトコルラボは「Airbnb」や「Dropbox」など多くの超有望なスタートアップ企業を育て輩出し続けているシリコンバレーの有名なスタートアップアクセラレーターである「Y Combinator（ワイ コンビネーター）」のプログラムを経て、翌年 アルファー版IPFSをリリースします。
彼が発案したIPFSによって、インターネット全体でのファイル転送とストリーミング速度を大幅に向上させる可能性に興奮したシリコンバレーのオープンソースコミュニティーに参加する人たちによって急速に口コミで広がり、すぐに多くの実験が行われ始めます。
更に彼はIPFSにおける情報の保存についても革命的な仕組みを発表します。Filecoin strage network(ファイルコインストレージネットワーク)です。ファイルコイン自体は暗号資産で、マイナーと呼ばれるIPFSネットワークに最適な保存ストレージを提供してくれる参加者に対してブロックチェーンによって自動的に支払われる報酬です。
ネットワーク上で自動的に報酬が支払われる仕組みですが、保存ストレージがIPFSネットワークに常時接続していて、確実に保存し続けていることを証明したり、利用可能なストレージ領域を証明することで自動的に報酬が発生し、また、その証明が途切れたり、接続自体が途切れた時には自動的に罰金を科すシステムになっています。
そのことでストレージを提供するマイナーたちは罰金を取られないように、常時ネットワークに接続し、ファイルの破損などがないように確実に保存しようとするので、ファイルコインが形成するストレージネットワークは自律的に高品質を保つことができる仕組みです。
また、ファイルコインのストレージに何らかの情報を保存したいと考えている人は、沢山のストレージマイナーの中から、そのストレージが提供できるスピードや空容量、信頼性などをもとに公開市場において、需給バランスが決定する相場価格で入札することができるので、ファイルコインのストレージネットワークは競争的な価格を維持することができるだけでなく、より早く、より信頼性の高いストレージへと自律的に進化し続けるように設計されています。
そして、2017年8月10日、ファイルコインはICOを開始します。ICOの参加条件を総資産額1億ドル（約109億円）以上の投資家、もしくは年間で20万ドル（約2,185万円）以上の利益を出した投資家のみに限定して開催されたのにも関わらず、約282億円という巨額の資金調達を成功させます。
熱狂のICOから３年、2020年10月15日、ファイルコインのメインネットがローンチされ、ファイルコインストレージネットワークが稼働し始めました。
メインネットローンチ時のインタビューより
「Filecoinは、大規模なアプリケーションを完全にWeb 3.0ネイティブにする機能を初めて実現しました。そのため、ビデオストリーミングやソーシャルネットワーク全体などを実行できます。これらの種類のアプリケーションは、Web3.0環境で可能になりました。 」
若きゲームチェンジャー「ホアンベネット」はWeb3.0のインフラを見事に現実化し、デジタルの未来のための基盤をより強固にするために走り続けています。